理事長所信
JC運動のはじまりは今から111年前に遡ります。自由な社会と経済発展の実現、新しい社会のリーダーの育成を目的として、1915年にアメリカ・セントルイスの若き銀行員、ヘンリー・ギッセンバイヤー・ジュニアが青年会議所の前身となる青年向けの市民参加団体を設立しました。そして、「自分たちの手で地域社会をより良くする」という信念のもと若き情熱を持った青年たちが集い、地域活性化や子どもたちの健全育成をはじめ、様々な社会の課題を解決するために運動を続けた結果、地域社会に認められ、アメリカの社会的活動を担う主要な青年団体へと成長しました。現在では政治・経済・文化をはじめ様々な方面でリーダーとして活躍する人財を輩出する組織となり、2025年1月時点では117の国と地域で約14万人のメンバーがJC運動を展開しています。

2026年度 第61代理事長
上島 将一
日本においては、1949年に戦後の焼け野原を前に、経済復興と国際社会への復帰を夢みた東京の青年有志によって東京商工青年会議所が設立されたことが契機となり、国内各地に青年会議所が発足することとなりました。そして、1967年に箕面のまちにも全国で355番目となる青年会議所が誕生し、明るい豊かな社会を実現するために、今日に至るまで時代に応じたJC運動を展開してまいりました。
来年2027年に一般社団法人箕面青年会議所(以下、箕面JC)は創立60周年を迎えます。この記念すべき年を目前に控える今こそJC運動の基本に立ち返り、箕面のまちにより良い変化をもたらす運動を地域のみなさんと一緒に行うことで、社会の課題及び地域の課題解決に挑戦する必要があります。

2021年に大阪大学外国語学部、2023年に文化芸能劇場が箕面船場に建設され、2024年3月23日には北大阪急行が延伸し、箕面萱野駅が大阪の南北をつなぐ北の玄関口となったことで箕面の中央部は都市部へ直接アクセスできる場所に生まれ変わりました。新駅周辺は現在も土地の開発やマンションの建設が進み、駅直結の商業施設や隣接しているステージには多くの人が集い、新設された高架下の公園では子どもたちの笑顔があふれ、箕面市内外から世代を問わず多くの人々が集い賑わっています。
一方で、箕面市の西部にある阪急箕面駅は1910年3月10日に開業し、箕面の滝をはじめ観光資源が豊富な地域に鉄道が延伸したことで、駅周辺には日本初の民間動物園である箕面動物園や日本にコーヒーを普及させた喫茶店カフェーパウリスタ1号店が開業したほか、1971年には日本初のミスタードーナツ1号店が開店し、1997年には駅の1日あたりの乗降客数が3万人を超える日があるなど、人々が集い、賑わいあふれる地域でありました。しかし、2026年1月時点では観光客や地域住民に馴染みの深い箕面観光ホテルや、商店街のランドマークであった箕面サンプラザ1号館は建物の工事によって営業を休止しており、駅の1日あたりの平均乗降客数もここ数年は1万人台に落ち込んでいるため、かつてのような人々が集い、賑わいあふれる地域と言うにはやや厳しい状況となっています。そこで、多種多様な業種が集う阪急箕面駅周辺を〝巨大な職業体験場〟と位置付け、将来を見据えた学びの機会を子どもたちに提供するだけでなく、家族との楽しい思い出や地域の方々とふれあう機会を創出し、記憶に残る体験を通じて再び足を運びたくなる想いを育むことで、西部の持続的な賑わいの創出に挑戦します。
また、人工的につくることができず、保存期限に制約がある血液を安定確保することが社会の課題となっていることから、箕面船場ライオンズクラブと5年間継続実施してきた献血活動を今年度も箕面市内で一斉に行い、社会の課題解決に取り組むと同時に箕面の地に訪れる献血ドナーを増やすことで地域活性化へとつなげます。
さらに、商店街や滝道の店舗のオーナー、地域団体等と連携し箕面西部の課題の調査・研究を行い、その結果をふまえ、地域のブランド力向上や課題解決につながる取り組みに挑戦することで、持続可能で活気あふれる地域の創造に貢献します。
ユニセフが2020年に公表した「子どもたちに影響する世界」という報告書によると、日本の子どもの幸福度は先進国38カ国中20位であり、精神的幸福度については、38カ国中37位とほぼ最下位となっています。また、こども家庭庁が2024年に公表した「こども白書」では、日本、アメリカ、ドイツ、フランス、スウェーデンの5カ国の13歳から29歳までの若者に対して意識調査を行ったところ、自分自身に満足していると回答した若者の割合は日本以外の4カ国は70%台であるのに対し、日本は57.4%という結果が出ていることから、諸外国に比べ幸福度や満足度を十分に感じることができないまま日々を過ごしている子どもたちが多くいるという実態があります。そこで、地域団体と連携し、スポーツを題材とした楽しく達成感を感じることができる体験型の定例会を実施することで、箕面に住み暮らす子どもの幸福度や満足度を高め、心と体の健康に貢献します。

そして、本年は小学生の子どもたちに日本の国技である相撲を通じて勇気・礼節・感謝を知り、体得することを意識した「第10回わんぱく相撲箕面場所」を開催します。
さらに、国際金融教育委員会の調査において日本は先進国の中で金融商品や投資の知識が低い国の一つと評価されているだけでなく、日本銀行調査統計局が2025年8月に発表した資金循環の日米欧比較によると、家計金融資産に占める株式や投資信託の構成割合はアメリカが54%に対して日本は18%、25年間の家計資産の成長倍率はアメリカが3.7倍に対して日本は1.5倍と大きな差が生じており、投資の知識の差が金融資産の差へと如実に表れていることから、子育て・教育世界一のまちを目指している箕面市で子どもたちに将来役に立つ金融教育に加え、将来のキャリアプランについて楽しく学ぶ機会を提供することで、子どもたちの明るい未来を創造します。

「千里の道も一歩から」ということわざがあるように、どのようなビッグプロジェクトでも手近なところから始め、根気よく進めていくことで完遂することができます。箕面JCには20歳~40歳までの個性豊かなメンバーが在籍していますが、更に広がりのある運動を行うために、2027年の創立60周年を見据え、総勢60名以上の組織となるよう積極的な会員拡大を行う必要があります。明るい豊かな社会の実現に向けてインパクトのある事業を展開するために、会員拡大の意識を高める機会を提供するだけでなく、交流の場を設けることで、メンバー全員が一丸となって会員拡大に取り組みます。
また、会員の拡大と育成は車の両輪と同じくどちらが欠けてもうまく回らないため、この二つはセットで行う必要があります。青年会議所は修練・奉仕・友情の三信条を大切にしており、成長の機会の提供がなされる組織です。よって、三信条及び「自分の才能やスキルは、経験や努力によって向上できる」という成長マインドセットの考え方をもとに、青年会議所に入会したからこそ知り合えた同志と切磋琢磨し、青年会議所だからこそできる体験を提供します。
そして、メンバー全員が常に前向きな気持ちで定例会や事業への参加及びJC運動への参画ができるようお互いに声を掛け合い、数名のメンバーには青年会議所で得た学びや醍醐味を定例会の場で語ってもらう時間を設けることにより、一人ひとりの活動する意義や目的を再確認したうえでJC運動に参画する価値を見いだし、リーダーシップを発揮できる機会の提供を行います。
さらに、近隣青年会議所との関わりを深めたうえで、「地域の課題解決」をテーマとした親睦事業を実施し、単なる懇親ではなく、課題解決に向けて真面目に楽しく議論することで近隣青年会議所のメンバー同士の親睦が深まる機会を提供します。
「昨日できなかったことを今日、今日できなかったことを明日できるようになる」ために一人ひとりが自身の目標を定め、日々楽しみながらレベルアップを図ることでリーダーシップの開発を促進し、だれからも慕われるリーダーを育成します。
青年会議所という組織はその名のごとく、数多くの会議を実施するほか、メンバーの成長の機会が提供されています。ただし、業種や家庭環境によっては高い志があったとしても物理的な障壁があり、活動に参加できないメンバーが一定数存在します。そこで、インターネット環境があればどこにいても会議に参加できる環境の整備を進め、定例会や事業のアーカイブ配信を適宜実施することで、だれも取り残さない組織運営を行うとともに、次年度以降のメンバーのためにJC運動のヒントとなる情報の蓄積を行います。変化の大きい時代だからこそ持続可能でニューノーマルな取り組みを行い、参加できるチャネルを広げてメンバーのモチベーションを高めることで、自ら考え、言動し、周囲をポジティブに巻き込みながら目的を達成する人財が育つ組織運営を目指します。

また、定例会等に参加できなったメンバーやシニアクラブの先輩諸兄姉に活動内容を知ってもらうために月次発行の広報誌の訴求力を高めるだけでなく、公式ホームページやSNS等で対外向けの情報発信を積極的に行うことで、箕面JCのプレゼンスを高めます。
さらに、近年は地震や豪雨、土砂災害など、私たちの身近に迫る自然災害はますます多様化し、南海トラフ地震が発生した場合、箕面市においても甚大な被害が生じる恐れがあります。災害はいつ、どこで発生するか分からないため、日頃から防災・減災の意識を高く持ち、いざという時にどう動くか想定しておくことが重要です。箕面JCは2019年に箕面市社会福祉協議会と連携パートナー協定の締結を行っているため、有事の際に率先してまちのために動く体制を整えるべく防災・減災、避難所運営に関する活動に参画することで、平時だけでなく有事の際にもまちの役に立つ組織を目指します。

「備えあれば憂いなし」「そなえよつねに」「準備8割」という言葉が存在するように、準備をすることの大切さは明々白々であり、成功するかどうかは準備段階でほぼすべてが決まると言っても過言ではありません。2027年に箕面JCは創立60周年を迎えるほか、大阪ブロック大会の開催地に名乗りをあげているため、その前年である2026年は翌年に向けて、委員会の垣根を越えたメンバーが一致団結し準備に取りかかる必要があります。そこで、創立60周年に向けて目標設定を行うことの重要性や、目標を達成するためにはどのような心構えや取り組みが重要であるかを学び、アクションプランを策定する定例会を実施します。
また、大阪ブロック大会を開催する意義と目的を全員で共有し、リーダーシップを発揮することの重要性を理解したうえで、「今、自分にできること」を考える機会を提供することで、創立60周年及び大阪ブロック大会箕面大会に対するメンバーの意識を高め、次年度への土台を築きます。
さらに、創立55周年の際に設定した中期ビジョンの総仕上げのタイミングとなることから、委員会の垣根を越え総力を挙げて「繋がる地域社会」「会員拡大・育成」「ニューノーマルな取り組み」の実行及び検証を行い、メンバー全員がゆるぎない信念を持ち、向こう10年間の活動を行うために、新たな長期ビジョンの素案を構築します。
昨年、4月13日から10月13日までの期間開催された大阪・関西万博ですが、単なる国際イベントではなく、社会課題の解決のために実施されたことはご存知でしょうか。
会場となった夢洲は私の生まれ年である1988年から開発が進められましたが、2008年大阪オリンピックの誘致は頓挫し、テクノポート大阪計画は白紙撤回され、夢洲の広大な遊休地の活用は大阪府の長年の課題となっていました。そこで、その課題を解決すべく、2014年8月に大阪への万博誘致の構想が立ち上がりました。開催が決定した後も建築資材の高騰や情報の交錯、安全対策に至るまで多くの課題に直面しましたが、産・官・学をはじめ様々な関係者の協力を得たことで、158の国と地域、7の国際機関が大阪の夢洲に集結し、世界各国の持続可能でより良い未来を創造するための解決策や技術が展示され、来場者数は2,800万人を超え、経済効果は2.9兆円以上と大きなインパクトを残しました。
しかし、今回の万博は単なるイベントでは終わりません。万博閉幕後、会場跡地は国際観光拠点として再開発が検討されているほか、大阪ヘルスケアパビリオンでは健康寿命を延伸するための先端医療やライフサイエンスに関する事業の展開が予定されるなど、閉幕後も土地の有効活用のみならず社会の課題解決に向けた取り組みが継続されます。この取り組みはJC宣言の一節にある「社会の課題を解決することで持続可能な地域を創ることを誓う」と合致します。街の住みここちランキング2025(大阪府版)において箕面市は1位に輝いていることから、箕面のまちに住み暮らす老若男女からの評価が高いまちであることが伺えますが、地域に目を向けると解決すべき課題は多岐にわたっています。
よって、今年度は希望をもたらす変革の起点として「明るい豊かなまち」の創造につなげるために、定例会や事業を一過性のイベントにするのではなく、大阪・関西万博のような社会課題の解決に挑戦する要素を可能な限り盛り込んでまいります。 社会の課題及び地域の課題に正面から向き合い、青年らしくいつも元気に笑顔で課題解決に挑戦し、箕面のまちに新たなムーブメントを起こすことで「限界突破」を実現します。
委員会について
箕面青年会議所は5つの委員会を設置し、様々な取り組みをすすめています。