2021年度

 第56代理事長

  原田 亮

はじめに

 「新しい日本の再建は我々青年の仕事である」という覚悟のもと、1951年に日本青年会議所は誕生しまし た。そして、ここ箕面市においては、地域社会が直面している課題の解決に向け、1967年に日本で355番 目の青年会議所として、私たち一般社団法人箕面青年会議所(以下、JCI箕面)は第1歩を踏み出しました。 現在、新型コロナウイルスの蔓延により、先行きの見えない中で、社会全体が暗くなり、閉塞感が漂っていま す。国内消費の縮小、企業業績の悪化、倒産件数は増加し、雇用情勢も悪化するなど、大変厳しい経済状況とな っています。そもそも、日本はうつ病など精神疾患により医療機関にかかっている患者数は近年大幅に増加して おり、自殺率においては先進国の中で高い現状があります。特に15~34歳の若い世代で死因の第 1 位が自殺 となっているのは日本だけであり、大変由々しき状況です。また、内閣府による「我が国と諸外国の若者の意識 に対する調査」、日本財団による「18歳意識調査」など、様々な調査において、他国と比較した際に、日本の若 い世代が将来に対して夢や希望を描けていない、自己肯定感が低いという結果が出ています。こうした状況が、 コロナ禍の中でさらに拍車がかかって悪化しています。

 一方、憲政史上最長の在任日数である首相が退任し、新たなトップのもとで新たなくにづくりが進められてい ます。箕面市においても市長が変わり、新たなトップのもとで新たなまちづくりが進められようとしています。 加えて、ウィズコロナ、アフターコロナの時代に向けた、新しい生活様式の普及に対応するまちづくりが迫られ ています。

 こうした大変厳しい時代である今こそ、そして時代の変革期である今こそ、「新しい日本の再建は我々青年の 仕事である」という覚悟を再び奮い起こし、JCI箕面だからこそできる、柔軟で新たな発想力で、新しい時代 に対応したまちづくりを進め、社会の閉塞感を打破する必要があります。

 

社会の閉塞感を打破し希望を生み出す

 箕面市は現在、子育て世代の流入に伴い、人口が微増しています。しかし、箕面市人口ビジョンの推計では、 将来的には、箕面市においても少子高齢化の影響は現れ、2025年をピークにして人口が減少していきます。 それに伴って、社会保障関連経費の増大や税収の悪化は避けられず、将来的に市債残高の増加、基金残高の減少 など財政の悪化が見込まれます。

 さらに、箕面商工会議所が行う景況調査において、最新のデータでは、新型コロナウイルスの蔓延に伴って事 業者の80%の方が昨年と比べて景気が悪いと答えています。コロナ禍で、箕面市にとっても経済的に大きな影 響があり、JCI箕面メンバーの仕事にも少なからず影響がある状況です。経済の先行きが見通せないことから、 箕面のまちやJCI箕面においても、閉塞感が漂っています。

 先行きが不安な今こそ、社会の閉塞感を打破し、まちを明るく照らすことが求められています。

 そこで、人々が自分の限界を打破し、不可能を可能にするチャレンジをする姿から、社会に感動を与えるよう な事業を開催します。「自分もやればできる」という強烈な成功体験を積むことができれば、それぞれの将来にと って大きな糧となります。そして、人々が己の限界に挑戦するその姿は、たくさんの人たちに大きな感動や希望 を与えます。それらの想いが波及していくことで、まち全体が明るくなっていきます。

 社会の閉塞感を打破するという強い想いを持って、己の限界を超えるとともに、従来の発想を覆す事業を行い、 将来に対して夢や希望を持てる箕面のまちづくりを実現してまいります。

 

スポーツ機運の高まりを捉えて子供たちの成長を促す

 箕面市の子供たちは、体力・運動能力・運動習慣等調査の結果から、全体的に全国平均に比べて低い結果が見 られ、運動の経験や習慣が不足していることが明らかになっています。また、新型コロナウイルスの蔓延によっ て、子供たちの運動不足はさらに顕著になっています。こうした状況が続けば、健康への悪影響、気力の低下な どが懸念され、社会を支える力が減少してしまいます。それらを防ぐために、子供たちに運動する機会を提供し、 体力向上と健康増進をはかる必要があります。

 一方、本年は、『東京オリンピック・パラリンピック』が開催されます。その開催に先立ち、聖火リレーのラン ナーが全国各地を隅々まで巡り、日本全国の人々を明るく照らし、希望と勇気を与えていきます。箕面市におい ては4月13日に聖火リレーが行われ、箕面市内の人々を大きく巻き込んでいきます。

 こうしたスポーツ機運の高まりを捉えて、運動するきっかけや習慣を、様々な事業や定例会を通じて、箕面市 内の子供たちに提供していきます。また、箕面市を本拠地とする男子バレーボールチーム『サントリーサンバー ズ』と連携を取った新たな取り組みも進めてまいります。

 子供たちの心は、体力と異なり直接鍛えることはできません。スポーツなど様々な機会を通じて、辛いことを 乗り越える経験から、強い心は養われます。様々なスポーツを活用した事業を通じて、コロナ禍においても将来 に対して悲観的になるのではなく、「困難な時代を自らの手で切り拓いていくのだ」という強い想いを持つこと ができるように、子供たちが大きく成長する機会を提供してまいります。

 

災害に強いまちづくりや誇りを持てる組織づくりを進める

 大阪北部地震の被害は今なお記憶に新しく、箕面市内には今でも屋根にブルーシートがかかった家があり、そ の爪痕が依然として残っています。また、100年に一度と言われた台風や豪雨災害が頻発しており、土砂崩れ や浸水した地域もたくさんあります。今後、30年以内に約80%の確率で発生するとされる南海トラフ巨大地 震が迫る中、本年は東日本大震災から10年という節目の年でもあります。改めて、災害への畏怖の念を新たに し、来たる災害への備えを万全にしなくてはなりません。協定を結んでいる社会福祉協議会とも連携を取りなが ら、災害への啓発活動をはじめ、災害時のボランティア活動がしっかりと機能するように、災害ボランティアを 増やす取り組みを進めてまいります。

 また、現在、新型コロナウイルスと共存する、新しい生活様式に対応する組織運営に迫られています。加えて、 コロナ禍において箕面市の事業者が厳しい経済状況にある中で、メンバーが入会・活動しやすい組織にする必要 があります。そこで、感染症対策の徹底とともに、各種会合へのWEB出席などオンライン化に対応した運営な ど、子育て中のメンバー、女性メンバー、そして遠方に住むメンバーなどでも安心して参加できる組織づくりを 進めていきます。さらに、事業費や事務局費用の見直しなど、徹底的な改善を行い、効率的でスリムな組織運営 を行ってまいります。

 災害に強いまちづくりに寄与するとともに、時代にあった組織改革を行うことで、JCI箕面に所属している ことをメンバーが誇らしく思えるよう、そして地域からも尊敬されるJCI箕面の改革に取り組んでまいります。

 

夢や希望を与えられるリーダーを育成する

 閉塞感が漂う、行く先の暗い社会の中で、明るい光をもたらすことのできる、夢や希望を与えられるリーダー を育成する必要があります。誰かのために、進んで人知れず損をして、何食わぬ顔で笑っている。まさにそんな リーダーこそ、周囲や社会を明るく照らす理想的なリーダーの姿だと思います。自分ではなく、まずは周囲の人 のため、社会のために、そして、これからの未来のために行動するリーダーが求められています。

 現在、私たちが利己的に物質的な豊かさを追求した結果、環境への配慮が欠けてしまっており、世界には様々 な環境問題が起きています。特に問題視されているのが海洋プラスチックごみ問題です。海には年間少なくとも 800万トンものプラスチックごみが流れ込んでおり、このまま続けば、持続的に海洋資源を得ることができな くなると言われています。そこで、箕面市では、ごみ及び温室効果ガスの排出抑制を図る契機とするため、平成 30年からレジ袋無料配布の中止を進めてきました。また、一昨年の『G20大阪サミット』で、2050年ま でに海洋プラスチックごみによる追加的汚染をゼロにまで削減することを目指す、大阪ブルー・オーシャン・ビ ジョンが共有されました。そして昨年、レジ袋が有料化され、プラスチックの過剰使用を見直す意識が生まれま した。JCI箕面においても、こうした環境への配慮が高まる中で、『2025年大阪・関西万博』を見据えたS DGsの達成に向けて、持続可能な地域の未来づくりを担うリーダーを輩出してまいります。

 これからも持続して発展できる箕面を目指して、時代の変化に応じて未来を見据えて行動できる、利他の精神 を持ったリーダーを育成し、社会を明るく照らしてまいります。

 

様々な課題に対応する多様性を持った組織を作る

 箕面市は、北大阪急行線の延伸、桜井駅前再編整備、大阪大学箕面キャンパスの移転とそれに伴う跡地活用、 箕面市立病院の移転と新しい学校の建設、彩都や箕面森町への様々な企業進出など、様々な部分で新たなまちづ くりが進んでいきます。それに伴い、地域住民のニーズは多様化・複雑化していきます。加えて、新型コロナウ イルスの蔓延に伴い、社会のあらゆる部分で新たな問題が生じており、JCI箕面に求められる役割はさらに多 岐にわたっています。JCI箕面が、そのように幅広い課題に対応した活動を展開していくためには、より一層 組織の規模を拡大して多様性を増大させる必要があります。職種、性別、年齢などメンバーの属性を多様化させ、 様々な視点を活動に取り入れなくてはなりません。

 そして何より、55周年となる翌年に向けて、周年事業や周年式典の実施などを通じてJCI箕面の運動を発 信し広めていくために、組織として大きな土台を作っておくことも今年度の我々の責務です。

 そこで、会員数55名を目指して、力強い会員拡大活動に取り組んでまいります。JCI箕面メンバー全員が、 現在のJCI箕面は先輩諸兄から受け継いだ組織であり、次の代に受け継いでいかなくてはならない責任感と、 JCI箕面に誇りを持って会員拡大せずにはいられない熱い想いをメンバー全員で共有してまいります。その上 で、積極的な会員拡大のための広報活動を行うことで幅広い層へとアプローチを行い、今までにない層を掘り起 こしていきます。そして、箕面市内の様々な団体と交流し、新たなコネクションを通じて会員拡大活動をおこな ってまいります。

 メンバー一丸となって、志を同じくする仲間を増やし、変化するまちの様々な課題にしっかりと対応して、市 民の皆様からの期待に応えられる多様性を持った組織となってまいります。

 

むすびに

 私は、25歳のときにJCI箕面へ入会させていただきました。私の仕事は、同世代と関わることが少なく、 組織の中で活動するというよりも個人で行動するので、箕面のまちづくりを通じて同世代と組織の中で関わるJ CI箕面での経験は、たくさんの学びを与えてくれました。人間関係の衝突や、事業を実施する大変さ、時間の 使い方などで、様々な失敗もしました。一方で、その先にある事業を実現できた喜びや、子供たちの成長を見る 楽しさ、地域や先輩方との密接なつながりなどは、私の大きな財産となっています。たくさんのことを与えてく れた箕面のまちやJCI箕面に、今度は理事長となって恩返しがしたいと思い、大変な状況であるからこそ、閉 塞感を打破すべく立ち上がりました。

 平安時代の僧である最澄は、「一燈照隅 万燈照国(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこく)」という言葉を 遺しました。一隅を照らす人が増えていき、万のあかりとなれば、国全体を照らすことができるという意味です。

 JCI箕面メンバー一人ひとりが己の限界を超えることで輝きを放ち、自分の身近な家庭や職場を照らす。そ れだけでは小さいあかりかもしれませんが、周囲の人々を巻き込み、たくさんの仲間が増えていくことで、箕面 のまち全体を照らすことができます。

 本年度のJCI箕面は、メンバー一丸となって、己の限界を、そして社会の閉塞感を打破してまいります。

 

【スローガン】

打破!

 

【基本理念】

一燈照隅 万燈照国

 

【基本方針】

己の限界を突破する。

 

【行動指針】

①社会の閉塞感を打破し希望を与える事業の実施

②スポーツ機運の高まりを捉えた子供たちの成長を促進する事業の実施

③災害に強いまちづくりや誇りを持てる組織づくりを進める事業の実施

④夢や希望を与えられるリーダーを育成する事業の実施

⑤様々な課題に対応する多様性を持った組織となる事業の実施